小説8050読了したので感想を
登場人物
この小説は家族を主にして、そこから付随して登場人物が出てきているので、ここでは家族のみを
大澤家 | 年齢 | 職業 | その他 | |
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大澤 正樹 | 父親 | 50代 | 歯科開業医 | 語り部 |
大澤 節子 | 母親 | 50代 | 専業主婦 | |
大澤 翔太 | 弟 | 20歳前後 | 引きこもり | |
大澤 由依 | 姉 | 22歳前後 | 早稲田大→就職 |
概要兼感想
8050問題は、子供が10代ないし20代ごろから引きこもってしまい、そのまま社会に復帰することができずに、気がついたら親が80代、子供が引きこもりの50代となってしまい、年金頼りの生活。また親が死んだら子供の行き場所がなくなってしまう問題のことを指している
ただし、本作では8050家族ではなく両親は50代、引きこもっている子供は20歳前後となっている
まずメインとなる大澤家はどこにでもいそうな典型的な人物で構成されている。 語り部兼メインの正樹(父親)は性格共々、典型的な50代子持ち夫。 妻の方も性格もいそうなタイプの50代の専業主婦、 子供が自立したら30年前後付き合ったが性格のずれから離婚願望がある夫婦となっている。
特に正樹(父親)については
- 行動が短絡的。やや短気。
- 俺の中で世界は完結している。していないことは思い通りに短絡的にする。自分の中で決めつけ
- 子供=自分の所有物。
- 翔太が引きこもりになったのは俺のせいではない。妻や姉のせい。
- 節子については楽天的であまり考えていないと思っていた。引きこもりに対して行動するまでは
と、どこにでもいそうなダメな夫が強調されており、子供を持つと夫はこうなるのかと思うとゾッとするとものだ
また引きこもっている翔太に対して正樹がメインで動いて、短絡的な夫を止める節子がブレーキ役として動いているが、どちらの行動も悪手に思えて、それを特に正樹が自覚していない点が憎くて、作者の長い結婚生活で夫をよく見ているなと思った
ここで書いている自分の周りには子供を持ち始めた同僚、同郷が増えているが、引きこもりは私の子供はこうならないというのが一番ありえないことで、誰にでもなる典型問題であり、立ち向かい方が非常に難しい問題であり、引きこもり理由もそれぞれ違うので"これ"が解決方法というのはないと思うが、それでも一つの参考になりそうな物語の作り方だと思った
個人的には文章的には読みやすい内容になっているが、内容は映画「DAU. ナターシャ」以来の心を抉ってくる作品。